初診時、左上欠損による咀嚼機能障害や顎関節症、偏頭痛、顔面痛それに伴う姿勢の傾きなどがみられました。
■K7による顎口腔機能の術前診査
Scan 9 安静時のEMG
左右側頭筋の過緊張
下顎位の後退の可能性
Scan 11 機能時のEMG
クレンチ時の活動電位
均等に低く機能不全の状態
■術中の状態
左上には3本のインプラントを埋入しました。その後、仮歯の状態でK-7による術中診査をおこないます。
■K-7による顎口腔機能の術中診査
Scan 11 機能時EMG
筋活動は十分でないが、術前に比べ優位に上昇
Scan 5 下顎位の診査
レストポジションはタッピング軌跡に近接
下顎位は是正された
■治療後
治療後の状態です。正しい咬合位で最終補綴に移りました。顎位も安定し咀嚼機能も回復、審美的にも改善しました。頚部の痛みは楽になり偏頭痛、顔面痛は消失しました。傾いていた姿勢も改善がみられました。
■K-7による顎口腔機能の術後診査
NMコセプトにおける治療ゴール
1.NMな閉口路と習慣性閉口路が同じになる(Scan 5)
2.安静時の筋の活動電位が最小 (Scan 9)
3.筋の機能時の活動が最大,左右均等 (Scan 11)
4.審美的な咬合高径(Golden Proportion)と適正なフリーウェイスペース
SC9で安静時の筋の活動電位は低く、SC11かみ締め時の筋のバランスは良好です。また形態的にも審美的なゴールデンプロポーションと適正なフリーウェイスペースが得られました。